『中学受験を考えたときに読む本』

そのままズバリなタイトルですね。受験を考えてはいるけれど、行動には移していない私には本当にズバリです(笑)。

実践教育ジャーナリスト・知窓学舎塾長の矢萩邦彦さん編著の書籍を再度、読みかえしました。今年の9月に購入し、たくさん付箋を貼って読んでいました。中学受験に関係する仕事をされている方や受験とは直接関わらない教育をされている方の計5名と矢萩さんの対話形式の本で、5名の意見は全く違っている部分もありますが、それぞれ教える側の実体験に基づいて中学受験のメリット・デメリットを的確に表現されていると思いました。親として知っておきたいことばかりです。

中学受験に関する本は何冊か読みましたが、私には一番印象に残りました。特に第1章の小川大介さんの部分は、わかりやすい表現で内容に深みがあります。「中学受験は、努力が自分の糧になることを教えてあげたい家庭にとって公平な仕組みに参加できる点がメリットである」「親も物理的・金銭的・心理的に負担がある取り組みだからこそ、親として成長できる」という部分の周辺は、なかなか否定できない説得力を感じます。プロセス重視を最後まで忘れずに取り組みたい私の考え方とほぼ一致しています。

ただ、これが小学生のときでなければできない経験なのか?という点については、安浪さんの言うように、「精神的に未成熟な子にはふさわしくない部分の方が多いかもしれない」という点は、やはりと思うと同時に非常に気がかりです。息子は、早生まれで、周りと比較しても子供らしい子供なので。

それはさておき、中学受験で指導されている方の生の声、それも塾が主催する説明会ではまず聞けない塾の特色や賛否両論について知ることができました。中学受験業界で生きている方々の考えや受験産業の実態についても基本的な部分を垣間見ることができました。

「どう受験に取り組むか」。矢萩さんが巻末に書かれている「主体性」という言葉の意味は、本当に深く難しいと思います。悩んで惑いながら、恐れおののきながら答えの出ないことにも向き合い続ける親の覚悟のことなのでしょうか。息子が2年生のうちに読んでおいて良かったと思う一冊でした。